平成21年9月に「なでしこ離婚相談室」を開設してから、これまで多くの方に来ていただきました。皆さまひとりひとりに心から感謝申しあげます。
私が離婚カウンセラーとして活動し始めた経緯を少しだけお話しさせてください。
きっかけは、ある日突然の友人からの相談でした。
「法律詳しいでしょ? ダンナとの離婚を考えてるんだけど、何から始めたらいい?」
私は大学卒業後、静岡県内の企業にUターン就職して、そこで同期入社の夫と知り合い結婚。子どもが生まれるのを機に退社しました。
頼る人のいない地での初めての育児と家事で、軽いノイローゼ状態に。再び社会に出たい一心で、資格取得のために猛勉強を開始し、運良く行政書士試験に合格しました。
その後すぐ、司法書士事務所に就職。
家事と育児と仕事に追われる日々を過ごしていたある日、突然投げかけられた言葉が冒頭のセリフです。
「法律詳しいでしょ? ダンナとの離婚を考えてるんだけど、何から始めたらいい?」
忙しいながらも、のほほんと過ごしていた日常に、いきなり【離婚】というキーワードが飛び込んできて、私はすごく驚きました。それに彼女は、はた目には、離婚とは無縁の夫婦に見えたから尚更です。
あらためて考えてみれば、私だって夫との離婚は何度も考えたことがあるし、周りには離婚経験者が何人もいる。もしかしたら、今の世の中、夫婦仲が良くて何も問題がないっていう方がむしろ少数派なんじゃないのかな?
いつも自分のことで精一杯だった私が、彼女の一言がきっかけとなって、周りの夫婦関係や人間関係に関心を持つようになりました。
実はそれまでも、事務所の先生の受けた離婚関係の業務(主に裁判所に提出する書類の作成)には携わっていましたが、このときから、離婚問題をより身近な問題だと意識して取り組むようになりました。内容証明、合意書、協議書等、ケースに応じて一番有効な法的文書があります。目の前の問題を解決するために、法律面でのサポートをするのが事務所としての仕事です。それを一所懸命やっていきました。
そうやって経験を積んでいくうちに、だんだんと私の中である想いが大きくなり始めました。それは、法律面だけでは本当の解決にならないんじゃないのか?精神面のサポートがあってこそ、お客さまにとっての真の解決に繋がるんじゃないのか?ということです。
自分のことを振り返ってみても、悩んでいるときって、具体的な解決策を提案されても(それはそれでもちろん必要なことなんですが)何かしっくりこないんですよね。一方で、気の置けない友だちに悩みを聴いてもらって、イヤな気持ちや辛い気持ちを吐き出しただけで、自分の中で、どこが悪かったのか自然とわかったり、何をやったら上手く行きそうなのか気づいたり、頭の中が整理されて、気持ちがスッキリして前向きになることがあるんです。面白いもので、気持ちがスッキリすると、問題の半分以上は解決したようなものです。あとは行動するのみ。
そんな自分の感覚に確信をもって、精神面でのサポートに重点を置きたい!という想いが強くなり、離婚カウンセラーになりました。
今現在もカウンセリングの質をより高めるために、心理学・心理療法・アサーティブ・コーチング・アクティブリスニング等、必要と思うことを体当たりで随時学んで吸収しています。
お客さまの頑張りと一緒に私も頑張りたい。
お客さまの成長と共に私も成長したい。
そういう想いで日々邁進中です。